【BOOK】傷を愛せるか 増補新版

もともとは10年以上前の本で、最近文庫になったもの。電車に乗ったときにだらだら読んでいたので、最初のほうの内容とかだいぶ忘れてるんだけど、いろんな矛盾とか葛藤みたいなものがずっと胸の中にぐるぐると渦巻くような、そんな後味の本だった。生きる中で負う傷は本当にさまざまだけど、傷を抱えつつもそれを愛しながら生きるというのはどうしたってそういうものなのだろうと思う。

私が読んでいて思い出したのは、「存在してくれるだけでいい」と誰かに対して思いながら「存在価値がなければならない」と自分を追い詰める感じとか。競争とか成長ばっかりの人生なんて、と思いながらも他にどうしたらいいの、みたいな感じとか。もはや無限に負わされる傷と癒やしのせめぎ合いみたいなこと? 実際にこういう話は書いてなかったかもしれないけど、自分の中で溜まっている割り切れなさみたいなものを拾い上げてもらったような気がする。
だからこそ、帯に書いてあるような「ケア」とか「エンパワメント」とか、たしかにそういう内容ではあるんだけども、そんなきれいな言葉で簡単に括らないでほしい、とも思ったりします。