フリーランスになってから、いつの間にか10年以上経っていました。
フリーランスを選んだこと自体は、「会社に行くよりは家で仕事したいよね」ぐらいのいい加減なノリで決めた部分が大きくて、ここまで生き延びてこられたのは、ある意味奇跡かもしれません。良かったね、私…。
私のフリーランス生活は、英語の翻訳者として始まっています。おかげさまで、最初から良い縁にも恵まれて、仕事も順調に取れました。
仕事を始める前、翻訳の勉強をしていた頃に先生から言われていたのは、「最初の1、2年はスーパーとかコンビニのレジ打ちのほうがお金になる」っていう話でした。
私はその最初の1,2年で、東京23区で一人暮らしを始められたので、まあ幸運だったんだと思います。ありがたいことです。
で、起業したい人や個人事業主としての仕事を軌道に乗せたい人たちのコンサルをする中で、
私が最初からそれなりに仕事を取れたのは、何が理由だったのだろう?
と改めて考えるようになりました。
運が良かったという要素が大きい気がするんだけど、それ以外に何をしていたのだろうか、10年前の私は?
そんなわけで、フリーランスになったばかり、まだ駆け出しの人向けの仕事の取り方について考えてみました。
フリーランス駆け出し期に仕事を取るためのたった1つの方法
で、考えてみたんですけど、1つしかないのですよ。お伝えできるようなことって。見事に1つだけ。あとは運に恵まれたのと周りの人のおかげぐらいしかない。
約10年前、仕事が欲しい!と思って私が真っ先に考えたことって、
足りないところを補って余りあるほど、できることを突出させてやろう
ってことだったような気がします。
私は医薬分野の翻訳を専門としてやってきたのですが、そもそも駆け出しの頃を振り返ってみると、
- 医学や薬学どころか、理系ですらない(英語専攻でした)
- 会社員時代も、全然理系に縁がない(英会話学校にいた)
- 会社員自体、1年半しかやっていない(そもそも当時24歳)
- 翻訳業務の経験もない(経験が重視される世界だったりします)
…という、見事にないものづくしで、これだけ見たら私に仕事頼む理由なんてどこにもなかったわけです(笑)。
じゃあ自分に何があったかというと、ずっとやってきた英語の力ということになるわけですが、そもそも翻訳者なんて、英語ができて当たり前の仕事。
誰でもできることなんて、差別化要因にはなりません。大勢の翻訳者の中から、わざわざ私を選ぶ理由になってくれない。
となると、泣く子も黙るような突出した英語力を見せないと意味がないと思ったので、とりあえず、そういう突き抜けたレベルの資格を揃えて、頼みたくなるような人に見えるような工夫をしました。
翻訳の世界では、資格はあまり意味がないと聞いていました。でも、当時の自分にはそこしか売るところがなかったし、あまり見たことのない飛び抜けたレベルであれば、嫌でもそこに目が行くだろうな、と。
実際、そういう効果はあった気がします。目立って見えれば、「とりあえず使ってみるか」ぐらいには思ってもらえる可能性が高い。
あとは、駆け出しだったので、まだあまり忙しくなく、時間はそれなりにありました。
「翻訳者は調べもの屋だ」と教わっていたので(本当に、調べもの命の仕事なんですよ!)、とりあえず徹底的に調べてました。図書館行ったり、企業に電話かけたりして。
それと、ぴったり来る言葉を選ぶのが楽しくて翻訳の世界に入っていたので、いかにも翻訳くさくない、わかりやすい表現には、自分なりにこだわっていたつもり。
いくら頑張ったって、所詮駆け出しなので、ベテランの人たちには追いつけないわけですよ。だからこそ、せめて思いつく限りのことはちゃんとやろう、みたいな気持ちでいたような気がします。
…こうやって書いてると、嫌でも初心に帰らされますな…。ちゃんと仕事しろよ、私。
駆け出しフリーランスが仕事を取るために肝に銘じるべきこと
誰でも最初は駆け出しです。できないこと、知らないこともあるかもしれない。
もちろん、基本的な知識とか技術がないと、駆け出しにさえなれないんだけど、足りないところを埋めることばかり考えていたら、一生駆け出しのままになってしまう。
経験から学べるものって、何よりも大きいと思うので、どこかで実際に仕事をしないと。勉強だけしていても、仕事はできるようにならないのですよ。
で、そんな駆け出しが仕事を取りたい、仕事をさせてもらいたい、と思ったら、今できることや自分だからこそできることを、精一杯やるしかないのですね。
そうじゃないと、仕事を取る以前に、土俵に上げてもらえないというか、何も始まらない。
じゃあ、その今できることって何なのか。自分だからできることって何なのか。
自分がやろうとしている仕事のことを踏まえて、冷静に自分の手持ちの札を見つめ直して知っておくと、見つけてもらって、拾ってもらえるきっかけを作りやすいのではないでしょうか。
もちろん、勉強も一生続ける覚悟でいないとダメなんだけどさ。
1つ仕事を頼んでもらえること、1人から申込があること。そして、その相手に喜んでもらうこと。
どんな仕事であっても、すべてはそこからスタートです。