先日、ある方とお茶をしていたときに、
アートを買わない理由の1つが、賃貸で壁に穴をあけられないから
という話が出てきました。
壁にアートを飾りたいと思っても、額をかけるために画鋲を刺したら壁に穴があいちゃう…というわけです。「そのせいで何枚絵をあきらめたことか…この辺の技術が開発されたらアートもっと売れるんじゃない?」って。
たしかに、賃貸住宅は自分のものではないだけに、いろいろと制約があるもの。退去時にいろいろ言われたりお金取られたりしたら嫌ですしね…。
実はですね、私も「壁に画鋲を刺して作品を飾りたい…」と思って、以前調べたことがあったのです、この辺の話。
我が家は幸いにしてピクチャーレールがあるのですが、壁1面分だけなので、別の壁に飾りたいと思ったらやっぱり画鋲を刺したいわけです。アートに限らず、ポスターとかカレンダーとか、画鋲を使えたら飾れるもの、いっぱいあるんですよね。
同じようなことを考えている方がいらっしゃるかも?ということで、今日は「画鋲の穴があいちゃうから賃貸にアート飾れない問題」の解決方法をお届けしたいと思います。
目次
賃貸住宅の壁に画鋲を刺してはダメ?
まず、「賃貸だから画鋲が刺せない」っていう話の部分なのですが。
実は、画鋲の穴って「通常使用の範囲内ならOK」とされています。「普通に暮らしていればそれぐらい汚れたり壊れたりするよね」っていう範囲。
退去時、画鋲やピン等の穴は、表面のクロスの張り替えだけでOKな場合がほとんど。「通常の使い方」の範囲内として、ガイドラインでもオーナーさん負担とされており、基本的に敷金からひかれることはありません。
下地ボードの張り替えまで必要になるような、釘やネジの大きな穴はNGです。
例えば「壁に画鋲をさした」という場合は、どのように判断されるのだろう。大東建託によると「ポスターなどを貼るために数カ所さしたという程度ならOK」とのこと。ただし「画鋲の穴が何十カ所も残っている、ねじやくぎなどの大きな穴が残っている場合などは、入居者の負担」となるのだとか。
だから、さすがに大量の穴をあけたり壁をぼろぼろにしたりしたらアウトでしょうが、数ヵ所だけ画鋲を刺したぐらいでは、敷金を引かれるようなことはないはずです。
アートを飾る場合、重いフレームや大きなフレームであれば、釘とかネジを壁に打ち込まないと無理でしょうが(それはたぶん敷金引かれちゃいます)、家庭に飾れるサイズのフレームなら、普通そこまで必要ないはずです。
最近のフレームって、ガラスではなくアクリル使っているものが多いから、軽いですしね(アクリル割れないので地震対策としても有効)。
私の家も賃貸ですが、この情報を知ってから、数ヵ所画鋲を刺しています(でも実は我が家、入居時点で既に画鋲の穴めっちゃあいていたんですよね…笑)。
こちらの作品も、
裏を見ると…画鋲を刺して、そこに掛ける形で飾っています。
壁にできるだけ穴をあけずにアートを飾る方法
そんなわけで、賃貸住宅で画鋲を使っても通常は問題ないわけですが、
- やっぱり大家さんに何か言われそうで心配(住宅関係って、なぜか慣習のほうが強かったりしますよね…)
- 一度画鋲を刺してしまうと、そこにずっと何か飾っていない限り、穴が目立って美しくない
という声もあります。やっぱり画鋲は刺したくない…と。
できるだけ壁に穴をあけずにアートを飾る方法はないのか?私が個人的に知っている範囲のアイデアを紹介します。
ニンジャピンを使う
ニンジャピンを使うのが、今のところ最も安定感のある方法かなあと。画鋲なので、壁に刺すことには変わりないのですが、抜いた後に穴が目立たないというアイデア商品です。針の部分が工夫されてるんですね。
我が家の壁で実験してみます。
普通の画鋲(左の白いほう)とニンジャピン(見えにくいけど右の透明のほう)を並べて刺して、抜いた後がどうなっているかチェック!
抜いたらこうなりました。
…見えますかね?ちょっと拡大してみます。
これぐらい目立たなければ、大家さんもさすがに文句を言わないだろうし、壁の美しさにも影響が少ないのではないでしょうか?
※私はニンジャピンのまわしものではありません。
イーゼルを使う
出窓があるお宅とか、玄関先にスペースがあるお宅におすすめなのが、イーゼルを使って立てて飾る方法です。場所が少し必要ですが、壁に穴をあけるわけではないので安心。
イーゼルってこんな感じのやつね↓
イーゼル自体はピンキリですが、額縁屋さんとかカメラ屋さん(ヨドバシとか)なら探しやすいのではないでしょうか。フレームのサイズに合うもので、好みに合うものをどうぞ。
左端の作品は、スタンドなしの作品をイーゼルで立ててます(これはかなり安いイーゼルだったと思うw)。写真は5月のイベント時のもの。玄関の靴箱の上。
棚の中に飾る
本棚とか、空いている棚をアートスペースにするのも個人的にはおすすめです。
入るものは棚の高さ次第になりますが、読まない本や要らないものを少し整理したら場所が作れる方、けっこういらっしゃるんじゃないかしら。
これは我が家の本棚の中なんですが、
文庫本が入る程度の高さしかないので、小さい作品(はがきサイズまで)を集めて置いています。
高さのある棚が空いていれば、もっと大きなものも入りますね。ものによりますが、棚の中であれば、ただ立てかけるだけでも大丈夫かな。画鋲もイーゼルも要らないと思います。
ひっつき虫を使う
フレームはちょっと厳しいですが、パネルとかポスターのような軽いものであれば、「ひっつき虫」で壁にくっつけられます。
練り消しみたいな感じですね。貼るのも簡単、はがすのも簡単。壁に傷がついたりしないので便利です。展示でものすごくお世話になります。
こちら、キャンバスに自分の写真作品を試しにプリントしたもの。
こんな感じで、ひっつき虫を裏につけて壁にばしっと貼っています。
アートの飾り方はアイデア次第!
使えそうなアイデアはありましたでしょうか?普通に画鋲を刺してしまうのが最も簡単なんですけど、住宅事情や作品の大きさに合わせて、いろいろ試してみてくださいませ。
別にアートだけではなくて、観光地で買ったポストカードとか、きれいな紙とか布とか、飾るときれいなものっていろいろありますしね。
アートであれ何であれ、ものすごく単純な話として、好きなものが家にある生活って精神的にとても豊かだと思っています。
パリに行ったときにも感じたんですが、必ずしも効率的ではなくて、なくても困らないものだけど、「美しい」「素晴らしい」「好き」を日常の中で大事にできることこそが、文化的・精神的・人間的な豊かさなのかもなぁ、と。
これでお気に入りをあきらめることなく、おうちにお迎えできますように。