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雑食系フリーランス 及川智恵/世界には、人の数だけ「面白い」が溢れている。

Photo Art

カメラという決意表明

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新しいカメラを買いました。

 

左が新しいほう。右が2009年からずっと使ってきた古いほう。

 

9年近く前に買ったカメラは、一眼レフとはいえ、約5万円のいわゆる初心者モデルでした。

 

当時はただの遊びのつもりだったので、自分の撮ったものを展示したり売ったりするようになるとは思っていなかったし、まさかこの子と一緒に個展を3回も開くことになるなんて、夢にも思わなかった。

今のカメラは安くてもそれなりに性能が良いし(スマホだって十分すごいしね)、何十万も払わなくても面白いことってたくさんできるんですね。もちろん、良い機材だからこそ撮れる写真もあるわけですけど。

でも、制約のある中で面白いことができたらそのほうがワクワクするし、手に入りやすい道具を使っていたらやりたい人も増えるかな?という気持ちもあって、ずっと初心者モデルで撮影→iPhoneで加工、という形を貫いてきました。

 

ただ、展示を重ねるうちに、「もっと良いカメラじゃないとあなたの撮りたいものは表現できないんじゃない?」とか、「iPhoneじゃなくてPhotoshop使えばいいのに」とか、いろんなフィードバックをもらうようになりました。

 

正直、最初は「余計なお世話」だと思っていました。

初心者モデル×iPhoneという比較的身近な組み合わせだからこそ面白いんじゃないのか?と。良いものを使って良いものが生めるのは当たり前だろう、と。

実際、安いカメラとスマホでここまでできるのか!という驚きを感じてくださる方も増えてきていましたし、この制約の中でどこまで行けるのか追求することこそ、面白さを割増にしてくれると思っていましたから。

 

でも、良いカメラとソフトがあれば、できることの幅がぐっと大きく広がるのは間違いない。

それに、「その程度の機材のわりに」みたいな褒められ方って、よくよく考えてみると、ものすごく天井の決まった褒められ方で、実際のところは対して褒められてないんですよね。

まあ、そんな形であっても褒められるのは個人的には嬉しいんだけど、もし自分で勝手に限界を決めているような形に見えてしまうとしたら、それは私にとって全然面白いことではない。

 

そんな折、1月の個展が終わったときに、ものすごく「ああ、やりきった」という気持ちになってしまって。

これは何かを変えないといけないな、と思いました。そうしないと、本当にここが天井になって終わってしまう。

使う素材が良くなれば、結果として生まれる作品も良くなるはず。カメラの買い替えは以前から頭にあったし、2018年、まずはカメラを買おう、と決めました。

 

家にあった花を新しいカメラで適当に撮ってみたやつ。細かい使い方がまだよくわからん…でも色は以前より相当きれいな印象。

 

自信がなかったんだと思うのです。

良い道具を使っていなければ、どこかで言い訳がきくんじゃないか、この程度でも許してもらえるんじゃないか、とたぶん心のどこかで思っていた。

でも、そんなふうに逃げ場を求めている限りは、どんな道具であっても先には行かれない。ここまでで行き止まりです。天井は周りが作ったものじゃなくて、自分で設けていたものだったんですね。

 

2009年当時のように、今も写真は単なる遊びだと思っていたならば、きっと天井を設けたままでも構わなかったでしょう。

でも、いつの間にか写真は、私にとってライフワーク的な大切な存在になっていて、もっともっと真剣に向き合いたいというのが今の気持ちです。追求したいことがたくさんあります。

周りからの見られ方にも変化を感じた。まだまだ遊びだと捉えられている部分は多々あるだろうけど、それでも真剣に見てくれる人が増えたことを、1月の個展ですごく感じました。もっと真面目に取り組みたいと思わされた。

 

逃げるのはやめることにしました。新しいカメラは、自分の中では覚悟の証のひとつです。

 

まずは新しいカメラに早く慣れたいと思いますが、古いカメラは壊れたわけではないからまだ使えるので、手元に残しておきます。

そっちで撮りたくなったらいつでも戻れる。でも、狭い世界しか知らない状態と、大きな世界を知ったうえで狭い世界に戻るのでは、意味合いがまったく違うから。

 

 

私は人生の前半、「できるかどうか」にしか興味を持っていなかったのだな、と今になって思っています。

相当な怖がりでもあるので、できないことに踏み出すのは小さい頃から恐怖で、いろいろな言い訳をつけて可能な限り避けてきました。できないこと=恥、と思い込んでいたから、何よりも先に「できるかどうか」を考える癖が付いていた。

 

40年近く年を重ねてきたのだから、既に見えている得意なことだけに力を注いだほうが、戦略的には良い生き方なのかもしれない。でも私の場合は、今さらようやく「好きなことをやる」ということの意味が見えてきた気がするのです。

「できるかどうか」とは別の「好きかどうか」という軸が、これだけ生きてきたことでようやく少し見えてきた。子どもの頃のほうが素直だというけれど、私はとても早いうちから空気を読んで自分の意思を我慢してしまう子でした。

 

そして、相変わらずの怖がりだけど、年を取った分だけ多少は図太くなった部分もある。

大人になったからこそ、自分でつかめるものが増えて、やれることがある。今の私はなんて自由なんだろう。

 

さて、新しいカメラと一緒に、私はどんなものを生み出していけるのでしょうか。

天井も底もない、無限に遊び続けられる表現の世界は、私にとっては子どもの頃のどんな遊びよりも魅力的です。

 

 

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