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『マルチ・ポテンシャライト』―1つに絞れない人のための絞らない人生戦略

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久しぶりに、読んだ本の話を書こうかなと思います。

 

 

こちらの本ですね↓

 

ざっくり言うと、

  • 「なりたいもの」「やりたいこと」を一つに絞れない
  • 何かを究めようにも飽きてしまって、全部中途半端になってしまう

…という人向けに、「絞らないキャリアの作り方」というか、そういう「生き方」「人生設計」を教えてくれる本です。

「専門分野を持て」とか「絞れ」というアドバイスが一般的かなと思いますが、逆を行くような本ですね。

 

マルチ・ポテンシャライトとは?

この本によると、マルチ・ポテンシャライトとは『さまざまなことに興味を持ち、多くのことをクリエイティブに探究する人』。著者自身も、音楽、アート、ウェブデザイン、映画制作、法律…と、多分野に携わってきたマルチ・ポテンシャライトです。

具体的には、1つのことを掘り下げられずに飽きてしまうとか、いろいろなことに関心があって複数のことをやりたくなってしまうとか、「深める」よりも「広げる」のが得意(または両方できてしまう)とか、結果的に肩書きが1つに収まらず、バラエティに富んでしまうような人たちですね。

 

世間でよく言われるのは、「専門分野を持ちなさい」とか「1つに絞りなさい」といったことです。たしかにそのほうが周りから認識されやすいし、評価もされやすそうだし、逆にそうでないと二流扱いされたり、信頼してもらえなかったりするのが今の世の中です。

でも、全員がスペシャリストになれるとは限らない。1つのことを一生やり続けるなんて考えられない…という好奇心旺盛な人だっているよね?と。

 

マルチ・ポテンシャライトは、以下の5つの『スーパーパワー』を持っているとのこと。

  • アイデアを統合できる
  • 学習速度が速い
  • 適応能力が高い
  • 大局的な視点を持っている
  • さまざまな分野をつなぐ「通訳」になれる

このような力をうまく活かすことができれば、1つに絞ったスペシャリストになれなくとも、『斬新かつユニークな形で世の中に貢献することができる』んですね。

そんなわけでこの本では、マルチ・ポテンシャライトが強みを活かせる4つの働き方のモデルや、よくある課題への対処法など、生き抜くための戦略を網羅的に教えてくれています

 

この本は今こそ必要だと思う

この本は2018年9月に出版されてるんですが、今の日本の状況を考えると、とても良いタイミングで世に出た本だな…と思ったりします。

 

ついに「終身雇用は無理」とエライ人たちが言うようになったわけですよ。まあ、とっくにわかりきっていたことではあるのだけど、今までの常識やしくみでは、人生が立ち行かなくなる時代なんですよね、本格的に。

そんな時代だから、「会社に頼らなくても生きられるように」と、フリーランスや起業を礼賛する人が増えました。副業OKの会社も出てきています。

正直、働き方は何でも良いと思うのですが、たとえ組織で働き続けるにしても、「いつどうなっても食っていける状態でいる」「個人としても生きられる自分である」ことは、間違いなく以前よりも大切だろうと思います。確実にうまくいくレールは、もうないのだから。

 

働き方が多様化するとともに、「自分がどう生きるか」を自分で決めざるをえない時代。大変な時代ともいえるけど、これって実はマルチ・ポテンシャライトにとってはオイシイ時代ともいえます。フリーランスとか副業って、複数の仕事を掛け持ちしやすいですから。

やりたいことがたくさんあるマルチ・ポテンシャライトが、本領発揮しやすい環境が整いつつあるんですよね。今まで仕事をしながら「なんか違う…」と思っていた人は、この本を参考にして道を探ってみたらよいのではないかと思います。ワークもいろいろ付いていますし。

 

マルチ・ポテンシャライトとして生きるために必要なこと

今回この本を手に取ったのは、ずっと私を知っている人ならご存知かもしれませんが、他でもない私自身が延々とふらふらしてきたからです。

 

 

私の中ではかなり近接した領域を行き来しているつもりなのですが、何をやっているのかと言われても雑多すぎて一言で答えにくい状態を踏まえると、やっぱりマルチ・ポテンシャライトに該当するのだろうなぁ、と。その他、思い当たる節がいろいろとありますし。

 

そんなこともあって、この本に書かれている内容って、目新しい知識が得られたというよりも「自分の実体験を明確に言語化してもらった」という感覚が強いです。

例えば、今の世の中でマルチ・ポテンシャライトが抱えがちな課題として、

  • 仕事(どうやって食べていけばいいのか?)
  • 生産性(どうすれば同時に複数の物事を進められるのか?)
  • 自尊心(不安やうしろめたさ、外からの雑音にどう対処するか?)

が挙がっているんですが、程度の差こそあれ、どれも常に付きまとってきた問題です。

 

特に「自尊心」の部分は難しくて、マルチ・ポテンシャライトとして生きるにあたって大変なのは、

  • とにかく理解されないこと
  • 結果的に孤独に陥りやすいこと

の2点だと個人的には感じています。一貫性や専門性こそが価値とみなされる世界では、理解者を得ることがとにかく難しいし、うまく立ち回らないと仕事ももらいにくい。

この本は、「あなたはそのままでいい!」みたいなふんわりしたことだけでなく、現実を生き抜くための戦略も盛り込まれているのが良いなと思います。私自身が試行錯誤しながら実行してきたこともたくさん入ってます。10年前に欲しかったよw

 

こういう本が出ると、世の中にマルチ・ポテンシャライトというものが認知されるので、それはとてもありがたいことです。でも、1冊の本で現実が急に変わるわけではない。まだまだ理解されない時期も続くだろうと思います。

だからこそ、世の中にどう認識されても、心を折らずに「私がやりたいからやるのだ」「私はこう生きたいのだ」という意思や覚悟を維持できるかどうかが、なんだかんだでやっぱり重要だろうな、と最後まで読み終えてみて思ったのでした。

 

最後に、これだけは言っておきたい

今回紹介した本『マルチ・ポテンシャライト』も、私の書いたこの記事も、決して「スペシャリストは時代遅れ」とか「マルチ・ポテンシャライトのほうがすごい」とか、そういう優劣をつけるためのものではありません。「これからの時代はこっちでしょ」みたいな煽りや対立には興味がないです。

スペシャリストはスペシャリストで素晴らしく、マルチ・ポテンシャライトも同じです。単純に「各自やれることをやりましょう」というだけなんですよね。幸い、それが実現できる時代だと思いますし。

 

とはいえ、物事って自由度が上がると決めるのが大変になるもの。この本はワークも豊富なので、

  • 自分には軸がない気がする
  • やりたいことが多すぎて何を選ぶべきかわからない
  • 好きなことを仕事にすべきかどうか迷っている

…といったことにお悩みであれば、時間を取って手を動かしつつ、「どう生きるのか」「どう働くのか」を改めて考えてみるのがおすすめです。

 

 

ちなみに、著者のTED動画は世界で550万回再生されているとか(TEDのほうが本よりも先)。日本語字幕出ると思うので、まずはこちらを見てから本に進むのが良いかも。

 

 

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