【生き方事典4】小さな声に宿る、確固たる信念の正体(書店店主 小声書房さん)

インタビュー企画「生き方事典」4回目。

年内最後の更新になります。読んでくださったみなさま、ありがとうございました。過去の「生き方事典」はこちらからどうぞ

 

今日は、お顔&お名前出しNGですが、初の男性でございます。

「生き方事典」4人目は、ご自身で書店を運営されている、小声書房さんです。

小声書房
1989年生まれ。書店員として働く傍ら、「小声書房」という屋号を掲げ、各地の古本市やブックイベントなどに参加する無店舗本屋として活動中。
また、本を作る人、売る人、読む人など、本の周囲にいる人たちが相互に交流することができる機会や場所を作るためのコミュニティサイト「People Around Books」を運営。郵送サービスを利用して本を交換する企画「PAB POST」なども行っている。

 

小声書房さんのことはTwitterで知りまして、本を交換する企画「PAB POST」の初回に参加させていただきました。

特別な本を想いとともに交換!PAB POST vol.1に参加しました

その後、小声書房さんが出店されていた古本市にお邪魔しまして、10月にリアル初対面。「この人、静かで穏やかそうだけど、ものすごくいろいろなことを考えていそうだ…!」という直感で取材を申し込みました。

この直感が大当たり。今の時代に沿うような、そして私が長らく考えていることとも大きくクロスするような、たいへん良いお話が聴けたと思います。

 

なお、今回のインタビューに先駆けて、11月に根津で開催されたイベント「Dive in books!」にもお邪魔してきました。小声書房さんも出店して、本を販売されていました。

この記事は、そのときに撮影した写真も交えながらお届けします。

 

今回の記事は、学校や社会の中で生きづらさを感じている(感じてきた)方、ガツガツ前に出ていくのが苦手な方に、特にオススメします。

 

海外に自ら飛び込んだことで、人生の軸が確立された

―もともとはどんなお仕事をしていらしたんですか?

書いたり伝えたりする仕事がしたくて、新卒で業界紙の記者になったんです。小さな会社で、営業も取材もやりつつ原稿の締切もあって、過酷でしたね。

―書く仕事がしたかったんですね。実際にやってみてどうでした?

大変でしたけど、仕事内容は楽しくて、やりがいもありました。でも、きつくて3日間とか1週間とかで辞める人もいて(笑)。残っている人の作業量が増えていくんですよね。結局、その会社にいたのは1年ぐらい。その後はライターやデータ入力の仕事などを経て、今の仕事に落ち着いています。

―また記者みたいな仕事はやりたいと思います?今は本屋さんですけど。

書くのは仕事としてやらなくても、自分でもできるかなって。今は会社に所属していなくても、個人でどんどんやれる時代だと思いますし、むしろ個人で発信したほうが、将来的に何かにつながるかもしれませんし。

―個人として何か発信するとしたら、どんなことを発信したいですか?

記者を目指した理由の一つでもあり、自分の活動の軸の部分にもあたるんですが、「多様な声が共生する社会を作りたい」と思っていて。大きな声だけではなく小さな声も、1人1人の声を丁寧に拾い上げて発信をしていきたいんです。

今月号(注:2018年12月号)のダ・ヴィンチで、星野源が『自分の音楽の世界から、こぼれ落ちる人をなるべく作らないようにしたい』と言っていましたが、そういう発想がとても良いなあと思っています。

僕自身はいわゆるイケメンでもないし、高給取りでもないし、普通の人生さえ歩んでいないかもしれないけれど、こんな自分でも生きられるんだ、人生にはいろいろな声があっていろいろな選択肢があるんだ、といったようなことを提示できたらいいなって。

 

※Dive in books!での品揃え(一部)。小声書房さん、カバーのデザインがぱっと目を惹く本も多く揃えていらっしゃいます。

 

―そう思うようになったきっかけって、何かあったんですか?

子どもの頃から、「自分の個性って何なの?」って考えることが多かったんです。学校でも「出る杭は打たれる」というか、型にはめたがる人が多くて。自分は人と違うのに、黒髪でメガネだというだけで「真面目だね」みたいなステレオタイプ的発想で見られたりしました。

僕は声が小さいから「小声書房」っていう屋号で活動しているんですけど、大学時代なんか、一言話すたびにいじられて(笑)。

―そんなに(笑)?

そんなに(笑)。話すこと自体がコンプレックスになってしまった時期がありました。ひどいよねって思うんですけど(笑)。

とにかく、以前からそういうステレオタイプな発想にすごく抵抗がありました。1人1人違って当たり前で、考え方も違うはずなのに、話すだけでいじられたり、自分の考えを表明できないような環境って良くないな、とずっと思っていました。「右へ倣え」じゃないけど、「みんな自分の考え持ってないの?」ってずっと疑問で、息苦しさを感じていて。

その頃から、自分の言葉で話して生きていきたいと思っていたし、自立して生きていきたいと思っていました。でも、社会では「右へ倣え」のほうが好まれるわけじゃないですか。何も疑わずに継承していくというか。

―それが常識だよね、みたいな。

そう、まさに常識ですね。その常識から外れたら生きていけないのかな?って、そのギャップについて考えることが多くて。

大学ではずいぶんいじられましたけど、自ら希望していた大学に行けましたし、その後大学院にも進学できて、6年間自分のやりたいことをやることができました。その6年間を経て、取りこぼしがないというか、小さい声に寄り添って発信していくような活動をしていきたいな、と思うようになったんです。

―大学と大学院は何を勉強してたんですか?

大学時代は、関西の大学で英語を勉強していて、ニュージーランドとアメリカに留学しました。留学先で一番良かったのが、僕の意見と相手の意見が違ったとしても、頭ごなしに否定せず、受け入れてくれる土壌があったことです。「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」と個人の意見を尊重しあう環境に身を置いたことで、自分の言葉を発信して生きることがさらに楽しくなりました。

だから、日本では「私たちはこう思う」「We think」で考えることが多いけれど、「私はこう思う」「I think」で発信できる人が増えたらいいなと思っています。

留学中は少数民族と交流する機会が多くありました。ニュージーランドでもアメリカでも少数民族の文化が残っている場所に留学しましたし、留学の合間にはペルーに一人旅をしました。インカトレイルっていう山道を、キャンプしながら4日間歩いてマチュピチュまで行ったんですけど、そこでも現地の少数民族と交流する機会があったんです。

いろいろな話を聞きました。例えば、子どもたちが民族の言葉を覚えようとせず、伝統が薄れ、後継者がいなくなってきている現状とか、少数民族ショーなどで彼らの文化や伝統を売り物にしなければ生活することができないことに対する怒りやジレンマとか。彼らの一方的な意見かもしれませんけど、そういう社会の表に出にくい声を、直接交流することで知ることができました

大学院ではジャーナリズムを専攻して、世の中でどういう情報が優先的に発信され、流れていくのかということを研究しました。留学やペルーでの経験でも実感したんですが、話題性のあるものが優先されて、文化的な情報が伝えられないという格差がある。情報の伝え方のバランスが取れていないなと思って、いっそう小さな声に寄り添い、自ら発信していきたいと思ったんですよね。

―海外生活で、自分の声が受け入れられたことや、声がなかなか上がってこない人たちと交流できたことが、軸につながっているんですね。

「留学したら人生変わる」と考える人もいるかもしれませんが、日本にいても海外にいても自分は自分。海外に行けば自動的に誰でも変われるというわけではないんですよね。自分で行動して得た経験が、自分の軸を作り上げたんだと思っています。

 

本は、さまざまな声を届けるための媒体

―今は記者ではなく、ご自身の本屋さんをやっていく方向ですよね。小声書房はいつからやってるんでしたっけ?

1年半ぐらい前からです。2017年の4月23日、「本の日」といわれている日に始めて、来年の4月で2周年です。

「小声書房」って、実は2つの意味が込められた屋号なんです。1つは、僕の声が小さいから、半分冗談も込めて「声が小さな店主が本を売っています」って言っています。これに関しては、半分ポジティブな捉え方もしているんです。

声は実際に小さいし、声が小さいと思ってもらってかまわないんですけど、聞こえなければ何度でも説明するし、やりたいことは何度でも伝えていきます。海外に行ったときに、英語がうまく話せなくても相手が聴いてくれる環境があって、「失敗しても何度でも言い直せばいいんだな」と気づいたんですね。

そしてもう1つは、「小さな声に寄り添って、丁寧に届けていきたい」という想いを込めています。

―「書店」という発想はどこから出てきたんですか?

子供の頃から本が好きだったので「書店はアリかな」と思ったんです。書店の活動を通して一番やりたいことは、本を売ることによって、本の中に込められた小さな声や想いを伝えることです。本を通した発信というか。

―じゃあ、本は「道具」というか、さまざまな声を伝えるための「媒体」なんですね。

はい。1冊の本でも、受け取り方は人によって違います。本は自発的に読むメディアだからこそ、読むことで考え方の選択肢が広がっていくのが魅力的だなと思うんです。

今はインターネットなどで簡単に情報にアクセスできますが、それを鵜呑みにするのではなく、受け取ったうえで自分はどう思うのか、考える人が増えてほしいなと思っています。

媒体は音楽でも映画でも何でもかまわないんですが、表現者や信頼している人の声を届けて、応援できるような人になりたいとも思うんです。

―そうしたら、扱った本の数だけ、いろいろな声を誰かのところに届けられる。

もちろん、届ける側で情報の押し付けはしないんですけど、本に触れたことで何か自分で考えるような、そういうきっかけが増えればと思ってます。これが最終的に、多様な声が共生する環境作りにつながるんじゃないかと思うので。

―あくまで、ずっと持ってきた軸と一致した本屋さんなんですね。小声書房として、出店時に並べる本を選ぶ基準ってありますか?

何だろうな…。小声書房としては、まずは手に取りたくなるような本を置きたいです。僕はアンソロジーが好きなんですね。アンソロジーは、いろんな作者の短編が1冊の本に入っているもので、編集テーマなんかもさまざまなんですが、それを読むことによって、いろいろな作者さんに出会える機会にもなるし、作者さんの好みも自分の中でわかってくるし、それを読んだことによってどう思うかっていう、いろいろな感情が生まれるものだと思っています。

ただ、どのように受け取るかはお客さん次第です。売り手側としては多くの作家さんに出会ってほしいと思っていますし、面白いとかつまらないとか、いろいろな感情が生まれる機会になれば嬉しいですが、まずは「手に取ってくれてありがとう」みたいな気持ちですね。

―先日出店されたときは、都道府県のシークレットブックも出されていましたね。こういったものを並べることで、とにかくまず手に取ってもらえる状態を作るけど、その先の感じ方は自由だと。

※47 Regional Books(仮)。各県の出身作家か、各県にまつわる本が1冊入っています。徳島?山形?誰だろう…何だろう…。

 

本を買いたいと思う気持ちを芽生えさせるために、本を手にしたいと思ってもらうような環境を作る。一人ひとりが主体的に行動する場を増やすことができれば、僕としては楽しいし、選ぶ側は自分で行動したという満足感を得ることができるし、社会的にも豊かになっていくと思うんです。

 

スクールカーストさえ外から眺めていた

―お話を伺っていると、信念はすごくはっきりしているけど、ご自身がガンガン前に出るというよりは、陰からそっと誰かをサポートしていくような雰囲気ですよね。小さい頃からあまり人前に出るようなタイプではなかったんですか?

なかったですね。学校でも、「スクールカースト」という言葉がありますけど、その枠からいち早く外れたいと思っていて、枠の中にも入らずに端から眺めているような感じでした。

―「スクールカースト」って、「底辺にいました」とカミングアウトする人はけっこういると思うんですけど、いきなり「枠から外れたかった」って言う人は珍しい気がします。枠自体が違う、っていう。

そうですね、疑問に思ってましたね。違う人間なのに、なんでそんなにあなたの考えを押し付けてくるの?みたいな。

就職活動のときも、社会の枠みたいなものに受け入れてもらえなくて。氷河期でしたけど、100社ぐらい面接受けて、毎回「小さな声を届けたい」って同じことを言い続けていたんですけど、毎回鼻で笑われて(笑)、全然就職できなくて。ライターとか記者とか、テレビ局の制作とか、そういう会社しか受けていなかったですけどね。

―でもまさにメディアの仕事ですよね、声を届けることって。企業の人にはぜんぜん刺さらなかったってこと?

同じことを、はきはきしたスポーツマンタイプの人が言っていたら良かったのかもしれないですけど、僕はそうではないので。面接が本当にダメで、「信念は良いけど、本当にできるの?」と言われてしまうんです。外見と内面のギャップですよね。もし外見か性格が違ったら、もっとガツガツ行けたのかもしれませんが、まあ仕方ないですよね。自分は自分だし。だから、こんな自分でも受け入れてもらえるような社会を、自分で作っていくのが一番かなと思っています。

―そういう意味では、「我が道を行く」みたいな部分もあるんですかね。

あ、そうですね。生きづらくなるので、そういう部分はあまり出してきませんでしたけど。

でも大人になった今だからこそ、我が道を行けるような環境があるよなと思っています。今、リアルタイムで苦しいと思っている子どもも大人も絶対にいると思いますけど、「こういう道もあるよ」と生きる選択肢を増やせたらと思っています。僕が他人の人生の選択肢を決めることはできないですけど、後押しならできると思うので。

―そうなると、本は良い手段ですよね。選択肢を見せてあげられるし、考えるためのちょっとした手助けもできる。小声書房って、表向きは「本を売っている」としか見えないかもしれないですけど、実際にはサポート活動なんですね、選択肢を増やすための。

そうですね、それが自分の軸なので。いろいろな人の声を届けたり、考える選択肢を増やしたりするのが目的です。だから、自分のことには関心がないんですよね。自分が前に出たり、自分が何かを成し遂げたりすることは、あまり優先していないです。

 

出版不況の時代に、敢えて「1人で」「本を」売る理由

※日本と海外の名作をテーマ(漢字1文字)別にまとめたアンソロジー「百年文庫」。カバーを外しても美しいので…手に取ってみていただきたい!

 

―それにしても、本を売るだけなら、大きな書店に勤めるだけでもいいわけじゃないですか。それでも敢えて、自分で「小声書房」もやるんですね。

自分でやりたいことをやるための道を作ることこそ大事だと思っているんです。会社でやりたいことができる人は会社で働けばいいでしょうし、会社からお金をもらって働くことも大切です。お金を稼げないと生きていけませんし。でも今は、会社に勤める以外の道が以前よりも選びやすい。会社での仕事とは別でやりたいことがあるんだったら、自分で挑戦していく必要がありますし、挑戦できる環境だと思うんです。

僕はライスワークとして書店で働きつつ、個人として「小声書房」を立ち上げていますが、書店で働くことでさまざまな情報を得られるので、個人の活動にもうまく活かせたらと思っています。決して、余裕があって別の活動をしているわけではないです、社長の道楽みたいに(笑)。

―なるほど(笑)。でも今、「本が売れない」って言われていますよね。「出版不況」とか。本を扱う側として、そんな時代のことをどうお考えですか?

やっぱり売れなくはなっていますよね。でも、売れる本は売れますし、話題になったら読んでみたいなと思う人も多いですし、『ジャンプ』みたいなコミック誌なんかも、毎週読みたいと思っている人は必ずいるはずです。

本って主体的に読まなければならないメディアです。スマホや短いニュースに慣れてしまった今の環境では、自主的に200ページとか300ページを読みきるのって、けっこう大変だと思うんですよ。それでも「読みたい」という気持ちがあることが大事だと思っていて、「読みたい」という気持ちを育てられると、良いサイクルが生まれるのかなと。

―小声書房としてできそうな「主体的に本を手に取ってもらえる方法」「主体的に何かを考える方法」って、何か思いつきますか?

シークレットブックもそうですし、あとは何だろう……今は本にもエンタメ性やわかりやすさが求められていて、たしかに読みやすくて売れるんですけど、本って別にすぐ読まなくてもいいものなんですよね。ずっと本棚に置いておいて、1年ぐらい積読して、ふとしたときに読んだ1文が心を動かすことだってある。

本には賞味期限がないので、「読んでもらおう」という視点の前に、まず「手に取ってもらおう」という視点を持っています。それがもしかしたら、自分の人生にとって大切な1冊になるかもしれない。小声書房が、偶然の出会いとか、思いがけない出会いにつながるような場になればいいのかなって。

―たしかに先日「Dive in books!」に伺ったときに、「ああ、ここは運命の出会いの場なんだ」って思いました。好みの本が並んでいると嬉しくて。

思いがけない出会いって嬉しいと思うんですよ。ちょっとした世間話からつながりが生まれるかもしれないし。本はすぐ読まなくてもいいし、最悪、本は買わなくてもいいと僕は思っていて、そこの決断も相手に委ねてしまいたい。1人1人が自分で情報を選ぶ機会や考える場になっているのであれば、書店として良い環境ができているのではないかと思います。

 

本の楽しさに接する機会は、地域に関係なく平等にあるべき

―小声書房さんは、People Around Books(PAB)というコミュニティも主催していますよね。郵便を使って、全国の誰かと本を交換するというPAB POSTという企画があって、私も以前参加させていただきました。

※PAB POSTに参加したとき、私の手元に届いた本。右上のコメントは、この本をお譲りくださった方のメッセージです。

 

―PAB POSTを始めようと思ったのはなぜですか?

書店って都心に集中していて、地方に住んでいると近所に書店がないという話はよく聞きます。本は好きなんだけど、書店になかなか足を運べない人や、本のイベントに参加できない人もいるはずです。住んでいる場所によって本と接する機会を諦めざるをえないのは、もったいないしフェアではない。そういう人たちが気軽に参加できる場があればいいなと思ったのがきっかけです。

子育てをしていても、高齢者になっても、家からなかなか出られない環境であっても、本を好きな気持ちって変わらないと思うんです。本に接することのできる機会は平等にあるべきだと思うので、自分が中間地点になり、郵便を通して本を交換する機会を作れたら、誰でも参加できて、さらに誰かと交流する場にもなるのではないかと思って始めました。

―郵便なら日本全国どこでも届くから、こぼれ落ちる人がいないですね。

さらに「想いの交換」もテーマにしているので、本を読んだ感想も添えてもらっています。もしかしたら読んだことのある本が届くかもしれないけど、「この本を読んで、この人はこう思ったんだな」という想いまでも、文通のように交換されます。「相手はこう思ったみたいだけど、私はこう思います」とか、別の感情が生まれるかもしれない。

―本を買うだけならAmazonでも買えるけど、それだけじゃないんですね。

PABの活動自体、本を作る人、本を売る人、本を読む人が相互に交差するようなコミュニティを作れたらいいなという気持ちもあって始めています。だから、あくまで「人」が主語で、People Around Booksなんです。いろいろな人に少しずつメリットがあるような活動ができるように心がけています。「三方よし」みたいな感じですね。

 

誰もが自分の道を歩けるように、地道に活動していきたい

―あと2つお伺いしますね。まず、これからやっていきたいことや夢を教えてください。

最終的な目標は、最初の話に戻るんですけど、「多様な声が共生する社会」や場づくりをしていきたいと思っています。そのために、1人1人が自分の気持ちを大事にして、自分の気持ちを発信して、いろいろな人が尊重しあいながら生活していける環境を作れたらいいな、というのが目標ですね。

―具体的にやりたいことはありますか?例えば、店舗を構えるとか。

将来的にはあったらいいなと思いますが、店舗を構えなくても、いろいろな立場の人が自由に交流できる「交差点」みたいな場所や機会を作ることができたらいいですね。それは企画だったりイベントだったり、必ずしも場所とは限らないですが、機会は増やしていきたいなと思っています。

夢や理想も大事ですが、まずは地道に広げて、身近なところでどんどん仕掛けていきたいですね。社会的に見たら、自分のやっていることなんてあまり影響がないかもしれない。でも、日常的な視点で見たら、自分の活動は身近な誰かに影響を与えるかもしれませんから。

―たしかにそうかもしれません。では最後にもう1つ。小声書房さんにとっての幸せって?

うーん、あんまり幸せじゃないんですけどね(笑)。

―そうなんですか(笑)?じゃあ、どうなったら幸せ?

自分の幸せってあまり考えたことがなくて。どうでもいいと思っちゃうんですよね。普通に生きていくことが幸せかな。自分の道を自分で作って、自立して生きていくことが幸せだと思います。

―そっか、「普通」って小声書房さん的には「自分の道を自分で作って、自立して生きていくこと」なんだ。「普通」のことを本当の意味で普通にしていく活動なんですね、小声書房さんの活動って。

 

★小声書房さんの「私、これが好き!」

※好みが見えると人が見える…!?取材させていただいた方に、好きなものやオススメのものを伺っていこうと思います!

吟醸掌篇 vol. 1, vol. 2(けいこう舎)

『新人賞受賞後、活躍の場に恵まれなくとも書き続けている作家たちが、「実力を見せてやろう」と集まって作った文芸誌です。頑張っている作家さんは世の中にたくさんいますが、なかなか活躍できない人も多いし、一度有名になったからといって食べていけるわけではない。でも、それでも自分の作品を世に出そうとしている気持ちが素晴らしいと僕は思っています。

年1回刊行予定になっていて、Vol2まで出ているんですが、Vol.3は出るのかな……。書店ではあまり見かけない本だと思います。』

 

★おしらせ

小声書房さんの出店情報は、ブログで公開されています。不定期であちこちのイベントに出没されるスタイルですので、お近くのイベントをお見逃しありませんよう。

PAB(People Around Books)のブログはこちら。本の交換イベントPAB POSTのご案内もこちらに掲載されますので、参加してみたい方はチェックしておいてくださいね。

 

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※「生き方事典」は完全ボランティア企画です。何かのお役に立ちましたら、note経由でサポートいただけると嬉しいです!