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勢いで個展を3度開いた人が語る、0からの個展の開き方

更新日:

2017年11月に京都で2度目の個展を開いたとき、来場者向けの特設ページというのを作っていて、その中で「個展の開き方」の話をこっそり書いていました。

あれからだいぶ時間が経ちましたので、少し加筆修正したものを公開したいと思います。

 

今は「作り手」がとても多い時代だと思います。Webを使って自由に発信や販売もできますが、リアルの「場」を作るのもやっぱり良いものですし、オンラインとオフライン、両方の場があってこそ伝わるものがあるのでは、と思ったりもします。

そんなわけで、「展示をやってみたい、でもハードルが高い…」と感じている方に届くといいなぁ、と。

 

なお、この記事は

  • 美大出身等ではなく、元来アートに縁のない人間が
  • 趣味で楽しく創作をやっていたところ
  • ある日突然「個展やれば」という話になり
  • なぜか本当にやってしまった(しかも3回も)

みたいな人が書いていますので、プロフェッショナルな方にはまったく参考にならないと思います。

 

前提:場所を借りて作品を飾れば個展になる

 

2015年に初めて個展をやってみて、一番感じたことがコレでした。

何はともあれ作品をそれなりの数用意して、ギャラリーなりカフェなり、会場に飾れば、それは立派な個展です。(真剣にやってる人には怒られるかもしれないけど…)

 

とはいえ、気持ちのハードルはこれでずいぶん下がると思うのですが、現実的にはいきなり個展をやるのって大変ですし、あとお客さんが集まらないとやっぱり悲しいですよね。

そこで、個展を考える前に、

1.日頃から作品をたくさんつくっておく
2
.SNSでもリアルでも、作品をつくっているという情報を広めておく
3.それによってファンを作っておく

といったあたりは必須かなと思います。作品がなければ飾れないし、知られていなければ人が来ないからです。

 

また、実際に展示してみなければわからないこともたくさんあります。

例えば写真の場合、撮った写真をPCやスマホの中でしか見ていない人もいるかもしれません。でも、展示するとなったら、プリントして、額装して…といったプロセスが生じます。

プリントして飾ってみないとわからないことがたくさんあって、例えば私の作品だと、「大きくプリントしたほうが映える作品」と「小さめのほうがハマる写真」というのが明確に分かれます。

 

ですので、個展の前に、

4.自分の作品がマッチしそうなグループ展を探してどんどん出展する

というのがあると良いですね。まずは展示を体験すること。お客さんの反応を肌で体感することもできます。

 

以降、1~4をもう少し深めていきたいと思います。

 

1.日頃から作品をたくさんつくっておく

 

当たり前の話ではあるのですが。

個展が決まったからといって、突然作品がたくさんつくれるわけではありません(笑)。日頃からある程度つくり慣れていないと、急激にできるようにはならないです、何事も。

 

「数稽古」という言葉がある通りで、たくさんつくってみないと見えてこないものがあると思っています。

私自身、数年間の試行錯誤の中で、「あ、こうすればこんなこともできる」という発見がいろいろありました。最初の個展でできなかったことが、2回目の個展のときはできたりもしましたし。

絵を描く人なら、日頃から描く。写真を撮る人なら、日頃から撮る。それをそのままInstagramなどにアップすれば、広報活動にもつながりますね。

 

そして、たくさんつくるためには、たくさん「見る」ことも必要。私の周りにはプロカメラマンが数人いるのですが、「人の写真をたくさん見ることが勉強になる」と誰もが言います。絵とか他の分野でも同じではないでしょうか。

美術館などに足を運んだり、お友達の個展やグループ展を見にいったり、あとは人の作品を実際に購入して自宅に置いてみることでも、わかることがたくさんあるのではないかと思います。

 

2&3.ファンづくりを真剣にやっておく

 

ここでは、以下2つをまとめてお話しますね。

2.SNSでもリアルでも、作品をつくっているという情報を広めておく
3.それによってファンを作っておく

 

…この2つ、おろそかにするのはもったいないと思っています。

作家さんって職人気質の方も多くて、「作品さえ良ければ」という思考になりがちなのですが、そもそも知られなければ何も起きないです。ずっとアートの世界にいて実力で上がっていける人は、もしかしたらそれで良いのかもしれませんが(そこは私の知らない世界)。

 

私のように後から突然始めるような突拍子もない人ならなおさら、「認知してもらうこと」「好きになってもらうこと」を先にやっておかないといけないと思います。

そして、これは微妙に反感を買いそうな気もするのですが、必ずしも「作品」を最初から好きになってもらわなくても良くて、むしろ自分という「人」を好きになってもらう方向が、今後ますます重要になっていくように思います(というか既に重要になっている気がします)。

モノにもよりますが、アートってそもそも普通の人にとっては入口がないのですから。「あの人の作品なら見てみてもいいかな」と思ってもらえなければ、何も始まらないことも多いのではないだろうか。

 

私の場合、初めての個展の段階では、「私の作品のファン」としてついてきてくださった方よりも、「私の個人事業のお客様」「私という人間に興味を持ってくれた人」が大半だったという感覚です。入口は必ずしも作品ではなかった(義理もあったと思う、正直w)

でも、どんな形であれ、見てくれる人がいるというのは大きな力になるもので。最初の個展で誰も来なかったら、心が折れてやめていたかもしれませんが(笑)、幸いそうならなかったので、2度目、3度目の個展をやろうと思えた。

そして2度目の個展には、Instagramでずっと私の作品を見てくださっていたという見知らぬ方が、遠方からお越しくださったりして、ちゃんと「作品」のファンもできているのだと実感できて非常に嬉しく思いました。

 

もちろん、いくら知り合いでも、作品にまったく興味がない人はさすがに個展にも来なかったりしますし、知り合いが来てくれれば駄作でも構わない、ということでも当然ながらありません。

でも、知ってもらえなければ何も始まらないので、「自分の周りに人がいて、個展に来てくれる人が既にいる状態」をまず作ることも、個展に向けた第一歩ではないかなと思います。

 

4.グループ展を探してどんどん出展する

 

いきなり「個展をやろう!」とするよりも、場が与えられていて、誰かがオーガナイズしてくれているグループ展に参加するほうが圧倒的にハードルが低いです。写真の場合は、主催者側でプリントやパネル作成をしてくれるところもあります。

 

ただ、「どんなグループ展があるのか」「自分の作風に合うところはどこなのか」といった疑問は当然浮かんでくると思います。

なので、「出展する側」として考える前に、まずは「鑑賞する側」としていろいろ探してみることかなと。実際に自分の足で歩いて、自分の目で確かめてみる。

 

あとは、とにかく仲間を作っておくこと。ファンとは別に、ですね(一緒でもいいけど)。

 

私の場合は「写真」と「アート」、両方の切り口で知人がいまして、

・既にグループ展にたくさん出していた知人に、「私でも出せる写真展を教えて」と聞いた(翌日すぐ返事が来てそのまま出展しました)

・アーティストの知人がグループ展出展に誘ってくれて、作品出してみたら「来年個展ね」という話になった

…みたいなことが、振り返るとターニングポイントになっています。知人に引っ張られていなかったら、今の自分は本当にないです。

 

「知人に聞いてみる」「知人の誘いに乗ってみる」というのは、一番簡単な道の拓き方かもしれませんね。創作に没頭する時間も楽しいんだけど、外に出ていく時間も絶対的に必要です。

 

リアルな「場」を作ることで生まれるものがある

今はSNSなどを通じて作品を見せることもできますし、人とつながることも容易です。そんな中で、なぜ敢えて個展を開くのか?ということをときどき考えたりします。作品(の画像)を見るだけなら、極端な話、Instagramで済んでしまうわけで。

 

個展を3度やってみて強く感じたことは、自分の作品をまとめてたくさん見てもらえるということ以上に、リアルで対面できる「場」を設けることの価値でした。

「場」を用意したことによって、数年ぶりに会いに来てくれる人がいたり、私の知り合い同士がつながっていったり、知らない人との出会いがあったり…さまざまなきっかけが生まれるのが、個人的には毎回とても面白いなと感じます。

Webはどちらかというと「拡散」していくイメージで、広げる効果は強いけれど交わるイメージは薄い気がします。掛け算的な反応は、リアルで人が集う場のほうが大きいかな、と思ったりします。良し悪しではなく、両方効果的に使いたい。

 

この記事をきっかけに、展示をしたことのない方が1歩踏み出せるといいなと願いつつ、私自身は、単に作品を飾るだけではない、もう1歩先の価値を考えたいなと思っていたりもします。何かの機会でチャレンジできたら。

 

※とはいえ今のところ展示予定はないので、私の過去作品はこちらでご覧いただければ…。

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