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好きなこと?得意なこと?私たちは何を仕事にすべきなのか

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公開からだいぶ間があいてしまいましたが…

直近2本の記事(というかインタビューさせていただいた方々)がわりと対照的だったので、ちょっと記事にしておきたいなと思います。

 

絵美子さんの場合:好きなこと2つの掛け算で仕事を拡大

「生き方事典」6人目は、花とインテリアの仕事で活躍中の野村絵美子さんでした。

【生き方事典6】花×インテリアで業務拡大中。好きな仕事への道はリハビリから始まった(アトリエ・ノッカ 野村絵美子さん)

 

絵美子さんが仕事にしている花とインテリアは、どちらも長らく絵美子さんが好きだったもの。

 

ー…植物が好きだったっていうのは、花をやりながら思い出した感じ?

うん、そうだったな…って花をやっていて思い出した。「子供の頃に好きだったことがあなたの本当に好きなことです」みたいな話を聞いたことがあったので、これか、と。

 

ーそうなると、花はたどり着くべくしてたどり着いた道というか。

そうね、花は何時間でも触っていられる。

 

(中略)

ーということは、インテリアも好きなことの集合体みたいな感じなんだ。

そんな感じ。建築家の夢は、理数系が全然できなくて諦めたんだけど、それでもそういう分野が好きだったから、土日はインテリアショップに行ったり、家を自分にできる範囲でコーディネートしたりしていました。

 

単に「好きなことを仕事にしている」というのを通り越して、

・好きなものを2つ仕事にしている

・しかも相乗効果が生まれそうな組み合わせ

というのが彼女に関して特筆すべき点でしょう。

 

そもそも情熱を注げるものって1つあるだけでも十分素晴らしいと思うんですけど、それが2つもあって、しかも掛け算がうまくいっているというのは、本当にすごいことだなと…。

 

 

更生さんの場合:頼まれごとから自分の得意を見つける

そして7人目は、主に講師業を通して顧客の問題整理・解決を支援してきた大谷更生さん。

【生き方事典7】頼まれごとで淡々と積み重ねた10年。今、自分の専門ど真ん中で勝負を賭ける(問題整理の専門家 大谷更生さん)

 

更生さんの場合、絵美子さんと違って、軸は「好き」とか「やりたい」という自分の感情ではありません。土台にあるのは「誰かから頼まれたこと」(今後は絞るとのことですが)。

 

ーー…(サービスメニュー)は、声を掛けられるうちに増えたという感じですか?

そうですね。自分で「これがやりたい」「これをやろう」と思って始めたというよりは、話が来た仕事をやってみて、そこから派生させて「こういうサービスもできるんじゃないか」と展開させていった感じですね。

 

ーー更生さんは知り合った当初から「頼まれたことは断らずにやる」ってずっとおっしゃっていましたよね。そのポリシーのきっかけは?

ロックバンドのリーダーで本のソムリエでもある一里塚歌劇団の団長に影響を受けたんです。彼が「いつ何時どんなオファーでも受ける」っていうスタイルなんですよね。その姿勢が印象的だったので、15年ほど前から真似することにしました。起業してからもずっとそれを貫いてきたら、自分が得意なことや価値を提供できるところがだんだんわかってきたんです。食わず嫌いしていたら見えてこなかったことだと思います。

 

(中略)

ーー「やったことのない仕事もとりあえずやってみる」という選択もありますが、一方で、「絞って尖らせることで認知してもらう」という方向もあるじゃないですか。Aさんといえば○○、みたいに。更生さんはこれまで敢えて前者をやってきたわけですけど、「やっぱり絞ろうかな」と考えたことはなかったですか?

これまではなかったですね。何か理由があるはずなんですよ、頼まれるということは。経験のないことでも、自分が気づいていない可能性や才能を相手が感じているかもしれない。だったらとりあえずやってみたらいいと思うんです。

 

頼まれごとの良い点は、

・頼まれている以上、ニーズがあるのが明確

・自分が周り(社会)から何を期待されているのかわかる

という2点でしょうか。

 

更生さんはこの2点からさらに発展させ、

・頼まれた仕事を起点として、さらにメニューを拡大する

・頼まれごとの積み重ねで、自分の得意なことを把握する→今後そこに絞る

という形で今に至っています。

 

 

私たちは何を仕事にすべきなのだろうか

さて、仕事にすべきなのは絵美子さんのように「やりたいこと」「好きなこと」なのか。それとも更生さんのように「頼まれること」「得意なこと」なのか。

優劣はないです。仕事として成立すればどっちでもいいと思う。2人を以前から知っている私としては、「2人とも自分に合った選択をしているなあ」という印象です。

 

絵美子さんと更生さんって、少なくとも私から見ると、けっこうタイプが違うんですよね。

2人に共通しているのは「信頼される人柄」と「自分をしっかり持っている」ことでしょうか。でもこれは、自分の名前で活動するにあたっての必須要件でしかない。

 

絵美子さんは好きなことを仕事にしている人ですが、彼女がフリーランスとして仕事の幅を広げられているのは、私の中では以下3点が大きな理由だと思っています(独断です)。

  • 好きなことに没頭する集中力(花なら何時間でも触っていられる)
  • 自ら道を切り拓いていけるパワフルな行動力
  • 人が集まってくるオーラというか雰囲気的なもの(彼女は全然出たがりではないけど、人前に出たほうがいいタイプだと私は思ってる)

好きなことを仕事にするって楽しそうだけど、仕事にするならお客様のニーズを踏まえた「ビジネス」をしなければならない。経理とか集客とかも、マネージャーでも雇わない限りは全部自分でやらなければなりません。

そういう面倒をすべて抱えても好きなことを貫くだけの強力な「好き」が必要だったりするので、一人で始めるんだったら、頭も心も体もパワフルなほうが圧倒的に得だと思います(というか、そうならざるをえなかったりする)。

 

一方の更生さんは、頼まれごとを積み重ねてきた人ですが、個人的には以下の3点がその方向性にマッチしているのかなと思っています(これまた独断です)。

  • 相手を受け止めることが得意(自分から何かを生むよりも、相手の問題に対して解決策を出す、みたいなこと)
  • 柔軟でありながら、自分の中でのポリシーが明確だし、冷静な計算もできる
  • 感情に振り回されることなく、いつも淡々としている

「これを絶対にやりたい!」みたいな熱のこもった意思表示って、実は更生さんから聞いた記憶があまりありません。それよりも、というかむしろそういう情熱的な要素を抜いて、「決めたことを淡々とやる」ことができてしまう人なんですよね。

ただ、更生さんは何も考えずに頼まれごとを受けていたわけじゃなくて、自分が決めたポリシーを守り抜いてきただけ。冷静な損得の計算もしっかりなさっています。これ、超大事です。フリーランスなんて、ぼんやりしてたら安く浪費されて死にますからね、マジで。

 

 

そもそも仕事とは「誰かの役に立つ」こと

 

なんとなく世の中(というかフリーランス・起業界隈?)は、「好きなことを仕事にしよう」という方向性になっています。それはそれで良いと思うのだけど、「好きなことを仕事にしさえすれば幸せになれるはず…!」みたいな発想に向かってしまっている人も、少なからずいるような気がしています。

 

でも、当たり前だけど仕事って「好きなことをする」だけではだめで、「誰かの役に立つ」からこそお金がもらえるものです。「好き」は別に必須条件ではない。

 

もちろん、人生の中で仕事が占めるウェイトは大きいから、好きであることに越したことはない。でも、個人的に思うのは、「仕事にしたいほど情熱を注げる好きな物事に出会う」ってけっこう運と行動力が必要だなと。なにしろ世の中にはものすごい数の仕事があるのだから。結婚と同じね。

 

好きなことがあって仕事にしたいと思うのなら、覚悟を決めてやってみたらいい。

その覚悟が持てないのなら、好きなことは仕事ではなく趣味として持っておくのも選択肢。

やりたい仕事がないのなら、自分にできることで誰かの役に立とうと考えてみる。

今の仕事の中に楽しみを見出して、「この仕事悪くないな」と感じられたらそれも良し。

好きなことも得意なこともないと思うなら、とりあえず何かに手を出してみるところから。

 

100%完璧な選択なんてありません。どれを選んでも、明日急にスターや億万長者になることはないし、不満が0になることもないでしょう。

必ず一定の苦労や努力が必要になるのだとしたら、自分のキャラに合いそうな選択とか、自分が納得できる選択とか、自分がとりあえず今できそうな選択をすればよいのではないでしょうか、世間がなんと言おうと。

 

いろいろな人にインタビューすると、「そもそも選択は1つではない」ということが炙り出せて、個人的にはすごく楽しいです。当たり前のことなんですけどね、答えが1つじゃないなんて。

たぶん人生って、自分の選択を正解にしていくプロセスのこと。

 

 

※「好きを仕事に」系の話は、過去にもいろいろ書いていますので参考にどうぞ↓

好きなことを仕事にしたいなら、仕事にならない「好き」に注意!

好きなことを仕事にする前に、好きなことがわからない問題

 

 

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